最近のうつsmapg-MAD-theory2008

設問 
近頃よくみる躁うつ病(Bipolar Disorder:MDI Manisch depressive Irresein)について説明せよ

条件
1.simple
2.pervasive
3.elegant
4.beautiful

解答
1.近頃よくみる躁うつ病はいわゆる内因性のものではなく、反応性のものと解釈し、述べる。

2.最近の躁うつ病像は20歳代から30歳代によくみられるもので、脳の特定部位の障害とは考えにくい。特定部位の障害であれば、若い頃ほど補償回路が働きやすく、老年になれば補償回路は働きにくいだろうと考えられるからである。したがって、脳の全体の一時的な反応による病理ではないかと推定して、述べる。

3.smapg-MAD-theory2008は個々の神経細胞の刺激-反応特性に注目したものである。

4.神経細胞をくり返し刺激したとき、横に時間軸を取り、縦に反応電流の大きさを取ったとき、
大きく分けて、三種が考えられる。

5-1.Manic cell これは刺激の回数が増えるほど反応が増大するもの。てんかんにおけるキンドリングや統合失調症における履歴反応なども同じような状態と考えられる。なおも刺激を続けて行けば、細胞の代謝の限界があるので、休止するか死滅するかに至るだろう。ウミウシの神経細胞での実験が報告されている。
5-2.Anankastic cell この群は刺激の回数が増えても反応が一定であるタイプである。強迫的という言葉をあてる。
5-3.Depressive cell これは刺激の回数が増えれば反応が減衰しついには無反応になるタイプである。神経細胞の先にある筋肉は反復刺激には減衰する方向で対応するしかないので、あらかじめ神経細胞が減衰するのは合理的である。また細胞としても、細胞自体が破壊される前に休止するのは合理的であり、この細胞が全体の多数を占めると推定される。

6.以上の三類型は、なだらかに移行するスペクトラムを形成しているものと考えられる。Manic-Anankastic-Depressiveと並べて、連続して個人ごとに細胞個数のパターンを描くことができる。それが性格の基本部分を形成する。性格は生育の歴史にもより、環境にもよるが、それらの反応の根底にある部分であり、昔から気質temperamentとも呼ばれるものである。

7.その細胞個数パターンは個人の性格・気質を規定し、反復刺激を受けたときとその後の精神症状を説明する。

8.Manic-Anankastic-DepressiveとならべるとMADとなるので、MAD Theoryと呼んでいる。響きがよくないので別の名前にしたいが、15年にわたり山内元教授はこの命名がひそかに気に入っている。別段公式に発表するものでもないので、ニックネームとしている。

9.反応パターンと言っても、反応を流すスパインは複数あり、それぞれで反応が異なることも考えられる。また、空間的に偏ることもあるだろう。ホルモンなどが影響して、AがMに似ることもあるだろう。固定的ではなく考える。ステロイドホルモンによる躁うつ病、性ホルモンに関係して起こる非定型病像などが説明できる。

10.たったこれだけである。

あとは各人が理性にしたがって考えれば、仮説の検証ができると思うが、バカ丁寧に解説を加える。

症状と治療
1.細胞をくり返し刺激すると、M-cellは次第に反応を増大し、そのうちに現実は解決されることが多いだろう。頑張っていれば仕事はいつか終わるものだ。しかしその限界を超えると、M-cellは活動を停止する。その時点ではA-cellとD-cellが残るので、個人の細胞分布により、Aが多い人は強迫性になり、Dが多い人は抑うつ的になる。A-cellがダウンすることもある。そのときは多分、躁うつ混合状態を呈する。恐怖症やパニック様症状を呈するのは、二次性・反応性のものだろう。自分を守る反応として自然に理解できる。

1-2.予備的M細胞。二つの電池説。

2.回復過程は、M細胞の生物学的回復過程である。それに通常数カ月を要する。治療は細胞を休ませることである。

3.病前性格としては、Mが多い人は、循環気質である。Aが多い人は几帳面である。Dが多い人は疲れやすく弱気である。
強力性(sthenic)と弱力性(asthenic)は、Mが多いこととDが多いこととに対応している。
循環気質はMDが多くAが少ないだろう。
メランコリータイプはMが少なくADが多いだろう。
Dが少ないタイプは考えにくい。
これらの間で、連続的な病前性格を呈するだろう。
M細胞は年齢とともに減弱する傾向があるようで、従来は30才を過ぎてからMが減少し、ADタイプになり、几帳面で責任感の強いタイプになった。その人の場合、A細胞が休止するとD優位になり、メランコリータイプのうつ状態になる。
最近は若年発症なので、M細胞が残っていて、その場合には性格障害の像を呈したり、また、防衛機制としても未熟な方法を採用したりして、病像が複雑になる。

4.対策としては、M-cellとA-cellのブレイクダウンを回避し、保護することである。

5.この理論によれば、うつ状態になる前には、人によって、躁状態だったり強迫性の状態だったりする。それがマイルドであったり、周囲の全体がマニックであったりアナンカスティックであったりして、分からなかったということもある。MまたはA細胞が活動停止して、相対的にD細胞が優位になれば、うつ状態になる。

6.最近のセロトニンやノルアドレナリン増加剤は、M細胞の休止を補助しているのだろうと考えられる。M細胞が休んでいても、ほどほどのセロトニンやノルアドレナリンが出ていれば、急場はしのげるからである。

7.おおむね言えることは、頑張りすぎた後にうつ状態が待っているということであり、それはむしろ脳を守る反応である。病気の原因は、頑張りすぎて、M細胞やA細胞を休止に追い込んだことにある。イメージとしてはプロ野球のピッチャーが一試合投げたら、しばらく休んで筋肉細胞と毛細血管の修復を待つようなものである。

8.昔は筋肉労働が主だったから、M細胞がダウンするより前に筋肉がダウンしていた。最近は筋肉を使わないので、どのくらい疲労しているかが分かりにくくなった。コンピュータを相手にしていると、どんな人間よりもコンピュータは強迫的であるから、A細胞群はほぼ全滅する。そこにM細胞のダウンも加わる。IT産業の若年者にうつ病が多いのは、このようにして説明できる。これを病気というのは当たらないかもしれない。むしろ、ピッチャーが回復を待つこと、マラソンランナーが、一度走った後はしばらく回復を待つようなものだと思う。それを「筋肉病」とは言わないわけだから、最近のうつ病像も、精神病とはいえないかもしれない。むしろ損傷からの回復過程である。

9.そうはいいながら、仕事は続けなければならない。脳神経細胞を保護する薬を飲みな
がら、脳神経細胞への負荷量を測定しつつ暮らすのが良い。昔は筋肉が疲労の検出器官だった。いまはコンピュータが壊れるまで気がつかない。睡眠、食欲などを目安にするしかない。睡眠は比較的良い検出器だと思う。

10.あまり頭のいい提案ではないが、コンピュータに累積疲労度を表示して注意を促し、40時間以上の残業になったらログインできなくするなどの対策を考えたいものだ。睡眠時間と睡眠パターンをチェックしておくのもいいと思う。

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