山内教授のうつのお話-7

最近言われている、
bipolar spectrumの場合は、
M成分を横軸にして、連続体として並べて考察しています。

bipolarⅠはM成分がM(つまり大)であるのに対して、
bipolarⅡはM成分がそれよりも小さいMm(つまり中)となります。
ADについてはいろいろな大きさになります。

それに対応して、
bipolarⅠは症状としては躁状態を、
bipolarⅡは軽躁状態を呈するわけです。

つまり、このモデルによれば、純粋マニーなどというものは考えにくく、必ず、
A成分とD成分の影響を受けて、症状が修飾されているのです。

純粋マニーはMadとなるはずですが、
人間の脳を構成する神経細胞は大部分がDの性質を持っているはずだと
わたしは思っていますので、
少なくとも、MaD程度になるはずだと思います。

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大雑把に言えば、M成分の多い人がくり返し刺激を受けると、
Mが機能停止して、つまり疲れ果てて、
うつ状態になります。
これは観察とよく合います。

A成分の多い人は、問題集を端っこから順番に片付けるような事を始めます。
これもA成分が機能停止してしまいます。それが疲れ果てる感覚です。
結果としてうつ状態になります。
これも観察とよく合います。

疲れ果てると言っても内容が少し異なっているわけです。

うつ成分であるDはMやAとは違います。
もともと一、二回で休止する細胞群ですので、休止することが本来のあり方なのです。
MとAが活動してダウンしたとき、必然的にうつになるわけです。
(続く)