統合失調症の4軸

統合失調症は長らく
陽性症状と
陰性症状とに分けて論じられてきたが、
最近は、
その二つに加えて、
不安・抑うつの軸と、
認知機能の軸を加えたら分かり易いという話になっている。
それぞれに薬で対処できるからだ。

個人的には
陽性症状と陰性症状との二分法は
ジャクソニズムの原理と重なり、理論的にすっきりするので好きだ。
不安については、陽性症状があれば当然二次的に不安になる。
人間は虫歯になっただけでも
不安・抑うつ的になるのだから、
ましてや統合失調症になったら、二次的に不安・抑うつが発生する。
しかしそうではなくて、一次性に・原発性に発生するかどうかということだが、
それははっきりしない。
認知機能の低下が結局長期で見れば問題なのだけれど、
それも、発病の始まりのあたりから徐々に始まっていたものか、
それても、陽性症状・陰性症状によって欠損が生じ、その結果といえるのか、
つまり、陰性症状の部分を独立させた言い方なのか、
はっきりしない。

統合失調症の長期経過の中で、
脳血管性の認知症と比較して、どのような差があるものか、ないものか、
興味がもたれる。