オンライン・セラピー

いのちの電話もあるわけだし、
オンライン・セラピーもあるわけだ。

いちいち通院して顔を見せるより、
薬が効いているか、会社にいけているか報告すればそれでいいのだから、
メールでいいと考える人もいるかもしれない。

わたしは伝統粋な医学の信奉者なので、
やはり態度表情その他表出を全部まとめて、
診断にたどり着くと思う。
メールで送られてくることばでは情報が少なすぎると思う。

しかしそれでいいと患者がいい、医者がそれでいいと言い、
日本でも保険外医療として契約すれば、それは自由なのだろう。

私の場合は、電話でもとても誤解が多いし、
家庭教師が宿題の答えを教えるのとは違って、
心理の流れが大切なので、
電話で何かを答えることは、
いま診察中の患者さんにもよくないし、
電話の向こうにいる患者さんにもよくないことになる。
断片を切り取って、これで何か判断してくださいといっても、
無理というものだ。

そのこともよく理解したうえで、
オンライン・セラピーをするという人たちがいてもいいとは思うが、
わたしはもう昔の人だから、
そのような大胆なことには賛成できない。

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仮想世界でもセクハラ、パワハラまでは分かるが、
仮想世界でのレイプとはなんであるか、はっきり分からなくなり、
しかも、レイプ後のPTSDとなり、さらにその治療をオンラインで仮想世界の中で実行するとなると、
何をしているのかとも思うが、
しかし仮想世界でのPTSDならば、確かに、仮想世界での治療がいいような気もする。
その場合、少なくとも現状では、薬剤は使わないので、ことばによる治療ということになる。
まことに仮想世界的治療になる。

このことと比較すると現実の診察室では、
人格の影響力というものが大きな力を持っていることが推定される。
仮想世界でも仮想のオーラをまとえば、
治療成功率は上昇しそうだ。