寛解と回復の図


こういう感じの絵が
よく紹介されています。
期間にはかなり幅があるものです。

「症状の消失」のところは、「寛解」とも呼ばれます。
「症状のぶり返し」は「再燃」とも呼ばれます。
寛解、再燃がセットで、
回復、再発がセットです。

回復という言葉と、治癒、完治などの言葉との間には微妙な差があります。
虫歯や骨折は完治します。
うつは回復します。

疾病概念と障害概念の違いに通じています。

また、「寛解」の用語を用いる分野を考えてみます。
たとえば、白血病は「寛解」します。
白血病が「完全寛解」したという言い方もします。
とりあえず急性期を乗り切って、「寛解導入療法」が成功すれば、
症状は消失して「寛解」に至り、
顕微鏡で見て、白血病細胞が消失すれば、 「完全寛解」です。
しかしそれは、検査の段階では白血病細胞が見られないというだけで、
「完治」とは異なると考えられます。
症状もない、白血病細胞も見られない、それでも、「完治」ではないわけです。
そこから「強化療法」「維持療法」が始まり、しばらく続きます。

こうしてみると、やはり「感冒」と「うつ」は違うところもあると考えた方がいいようです。