上司の注意の仕方と部下の注意の受け方

上司として、部下に注意するとき、ひとつ提案があります。

自分はこの注意にどれだけ感情を乗せているか、意識して欲しいのです。

メッセージには、内容と形式があります。
形式は適切かを考えて欲しいのです。

有能な上司は、教育的に接するものです。

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たとえばのはなし、
昔、ある横着な人がいて、葉書を大量に印刷してもらいました。
内容は、年賀と暑中見舞い、喪中の挨拶、喪中のお返し、など、
よく使うパターンを並べておいて、チェックボックスをつけて、必要な場合に
チェックを入れるものです。

これならば、文案を考えないので、まったく感情が入りません。

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いちいち感情のこもった文章を書いていたのではビジネスタイムの損失です。
雛形を作っておいて、要所だけを入れ替えましょう。
あるいは練り上げた雛形をそのまま伝えましょう。

怒るのもいいですが、その場合は、怒るのではなく、
「わたしは怒っています」とニュートラルに文章で伝えてはどうでしようか。
そうまでして、怒りを伝えて、有益かどうか、考えてください。
もし、有益なら、まず、この文章だけを伝えてください。

あるテレビ局のニュースキャスターは、
怒ってニュースの言葉を伝えていますが、
視聴している側として、欲しいのは、情報の内容です。
そのニュースキャスターが、
理想の上司の何位に入っているか、
考えてみてください。
あなたがそのニュースを見ていて、
この人についていこうと思うかどうか、正直に考えてみてください。

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現代は難しい時代です。
部下に優しくしようと思えばセクハラだといわれる可能性があります。
厳しくすればパワハラだといわれる可能性があります。
ですから、自分がどのような形式で部下に接しているのか、
チェックする必要があります。
上司として必要な能力です。

感情はニュートラルに、
内容は教育的に具体的に、してはいかがでしようか。

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部下としては逆に、
上司の感情部分に過剰に付き合う必要はありません。

メッセージを感情と内容とに分けて、内容だけをメモして、あとは早く忘れましょう。

あるいは感情部分を、不快な感情として記憶するのではなく、
上司はイライラして怒っていたと、客観化して、記録しておいてもいいと思います。

上司のへたな指導の仕方にあなたが腹を立てても仕方がありません。
有益なものは受け取り、無益なものは気分転換して早く忘れましょう。

上司のへたな指導の仕方を観察して、
自分なりの上手な指導の仕方を考えてみましょう。
自分だったら、同じ状況のときに、どのような言葉と態度で、部下に接するか、
メモしておきましょう。

こう考えれば、だめな上司も、自分の成長の役に立ちます。
腹を立てていても部下はついて来ないのだと学習しましょう。
本質的に有能な人間に、あるいは徳のある人間に、部下はついていくのだと、
早く学習しましょう。
そして自分が有能で徳のある人間になるように、努力しましょう。