食べることと食べものを探すこと

人間は原始状態では
おなかが空いたときのために
食糧を蓄えておくことができなかったのだと思う
保存の方法が分からなかっただろうと思う

むしろおなかが空いたら
そのときから食糧の探索を始めたのだろう
どんぐりを見つけたりする

だとすれば、
空腹状態でカロリーを消費して、
その後で食料が見つかり、食べることになる。
予備的に食べておくことはできないような気がする。

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現在では予備的に食べるということがあるような気がする。
予備的に食べる感覚を考えると、
それは確認強迫などの心性に近い感じがする。
多分、過食の一部を形成している。

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現在では
空腹に備えて買い物をしておき、冷蔵庫に収める。
だから、空腹が始まる時間と食べ始める時間とはほとんど一致している。

教育のせいもあって、
一日三度食べる人が多く、しかも空腹によらず、時間による。
食欲がないときは食べる量ほ減らす。

耐え切れない空腹に耐えることは
ダイエットに挑んでいる若い女性以外経験していないのではないか。

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血糖値が下がった状態で狩猟をする習慣が遠い過去になっている。
農耕生活は血糖値にしたがって仕事をしたのではなくて
スケジュールにしたがって、あるいは命令に従って、あるいは習慣に従って、
仕事をしたのだろう。
穀物を保存することは出来ただろうけれど、
それを煮てしまえば食べなければならないだろう。

空腹を感じて
穀物を調理して
それからやっと食べられるはずだ

現代のように
個食ではないから
家族と一緒に食べるものだっただろう

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先日の東北の地震で田んぼが傾いて水がうまくいきわたらない様子だった。
なるほど田んぼは水平に作らないと具合が悪い。
水を入れる口と出す口をあぜに切って作っておけばいいことになる。
高度な技術だと思うけれど
ご先祖はよく考えて習得していたらしい。

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農耕生活の成立ということはつまりは集団生活の成立ということで
命令系統に組み入れられることで
なんとも憂鬱な話である