脳内部の世界モデルの訂正

脳内部にある世界モデルをどのように訂正したらよいか
という問題については、
まず、自然な状態では、人間は自然に、脳内の世界モデルと外部の世界が一致するように
できていることを考えてみる必要がある。
それが自然にできていないのは、
どこかに異常があるからであり、
そこを治せばよいはずだろう。

普通言われているように、
仮説を立てる→外部世界と比較照合する→訂正する
くらいの大雑把なプロセスを考えることができる。

世界観がずれて困っている人には
次のようにアドバイスすることができる。

1.仮説を立てる・別の仮説を立てられないか・別の考え方ができないか
今抱いているモデルはどんなモデルであるか。
別のモデルを考えられないか。

これは、一人で検討することはなかなか難しい。

結果が悪いことは客観的に示されることで、
それは納得しないと、どんな話も前には進まない。
結果が悪いなら、訂正すべき点があるのではないかと考えてみる。

しかしその場合、原因が自分の内部にあるかもしれないと考えることには心理的抵抗がある。
しかも、誰しも、自分がこれまで長い時間かけて構築してきた世界モデルが間違っているかも知れないとは思いたくないものだ。

この場合、集団の中で比較して考えることがかなり有効である。
その点で学校や会社は、自分の内部の世界モデルの検証の場として最適である。

自分の頭の中にあるそもそものモデルに訂正が必要なのではないかと
考え付くことがまず必要である。

そのことは特に自分の存在を脅かされるようなことではない。
ただ仮説を変更して実験してみればいいだけである。

ひょっとしたら、こんな風に考えたほうが世界をうまく解釈できるのではないかとか、
別な風に考えたほうが世界が生きやすいのではないかとか、
別の可能性を考えてみる。

しかし一人では難しいことだから、相談しながらでいいと思う。

別な考えを採用しにくい人は頑固だとも言えるが、
慎重だともいえる。悪いことばかりではない。

また、別の考えを採用しやすい人は、軽薄だともいえるが、
変ることができるということだから、とてもいい性質だと考えることもできる。

2.比較・検証する
自分なりの考え方・感じ方で実行してみて、どのような結果が出たかを、検証してみる。
外部世界と内部モデルの一致度はどのくらいかを比較してみる。

仮説を立てたら、検証してみることだ。
実際の行動で試してみるのがいい。
思考実験は、自分の内部モデルを使うので、それが間違っている場合は、
間違った結果しか出てこない。
間違いの循環にはまり込む。
それよりも、蓋部の現実を基準にして判断すればいい。

3.訂正する
訂正することが肝腎だ。
柔軟な態度である。
どこを訂正するかが問題で、無限に選択枝は考えられる。
手っ取り早いのは、近くの人を参考にすることだろう。
いいなあと思える人がいたら、まねをしてみよう。
その後でまた考えて訂正すればいい。