性格 たまねぎ MAD+対他配慮 MAD+対人距離

こんな事情で、メモを記すと、以下のようだ。
1.各種新型うつ病については、各人が各人のフィールドで経験した事をまとめたもので、対象患者の特性でもあろうし、そのような興味を持って対象をとらえたという意味では治療者の特性を反映しているともいえる。大学病院に来る者、公務員病院に来る者、大企業病院に来る者、下町のクリニックに来る者、それぞれの特徴があるはずだろう。
2.その点を考慮して、MAD+対他配慮説でどの程度説明できるか考えると、まずまず充分である。
3.基礎的な性格を説明したいが、その場合、MADのかたまりと、対他配慮という塊は、異質すぎて、手に負えない。
4.性格というものを考えてみると、単純に明るいとか暗いいうものでもない。場合に応じて変化するのだし、その変化の仕方のほうがむしろ適応には大切だ。
5.そこで、性格をたまねぎのような階層構造と考える。コアになる生まれつきの性格があり、その外側に性格防衛として、外套を身にまとう。環境が変化すれば、さらに一枚、外套を身にまとう。環境が変化すればするほど、厚着にるなるはずだ。そして外側からはっきりと見えるのは、一番外側の外套だろう。それが対他配慮である。
5-2 対他配慮とは攻撃的な防衛である。
6.たまねぎ構造の一番外側は対他配慮として、中には何があるのか、いろいろな時期のいろいろな環境の対他配慮がある。そしてそれらの細胞を形成するのは、MADであるということになる。
7.一番外側の対他配慮は、同調性といった複雑な働きよりも、対人距離といった要素的なものを考えたほうがいい。対人距離が近いのがマニーの人たちで、遠いのがシゾチームの人たちと昔から言われていて、そうだと思う。バーティの中心部でわいわい話題に興じているのは、循環気質の人たち、ジントーンの人たちであり、壁から30センチしか離れないのがシゾチームである。
8.そうするとイメージとしては、層構造をした球体を考える。各層は過去のそれぞれの時期の対他配慮戦略である。一番外側に見えているのは、現在の対他配慮戦略である。その球体を外部から刺激したときに起こる反応は、球体を構成している細胞の反応性質である、MADの分布による。
9.以上のように構成すれば、性格を「MAD+対他配慮」としてまとめることができる。
10.対他配慮はあまりにも高次な機能であり、個人的には「心地よい対人距離」程度の言葉を使いたい。
11.その上で、メランコリー親和型が生まれたドイツの風土で言えば、後進国プロシア帝国は富国強兵で列強に伍することが目標となった。個人が集団に一体化することが求められる状況であり、命令に対しては、疑問なく従う心性が求められた。軍国日本は当然そのようでありであり、戦後のサラリーマン戦士もそうだった。集団への忠誠と命令への服従。命令自体について、自分にとっての主体的な意味は考えないことが大切だった。ばかばかしい命令でも、命令だから遂行する。そのような人間が求められ、それを疑問に思う人間は排除される。排除されることなく、「組織内部の人間」となり、「むしろ組織を防衛する立場」に立ったときに、突然、メランコリー親和型うつ病が始まる。