主訴「うつかもしれない」ときの診療手順

1.主訴、始まりの時期、きっかけ
2.SDSやSRQ-D、HAM-Dを施行
3.悲哀……涙、将来に希望がない
4.億劫さ……能率低下、ミス
5.興味……新聞、ニュース、趣味
6.希死感
7.イライラ・精神運動抑制のどのあたりに位置するか
8.不安焦燥の程度
9.睡眠
10.食欲・体重・尿・お通じ
11.身体症状・月経・検診結果・既往歴
12.勤怠・職場の現状
13.つらいのは仕事内容か時間か対人関係か
14.性格傾向の概略について
15.家族状況、遺伝関係、生育歴、躁状態の時期があったか
16.全体の表出、表情、話し方、印象について記載
17.必要に応じて心理検査の計画

DSMを念頭において、チェックする。性格の軸、適応の軸についても確認する。
メランコリー親和型が典型であることを念頭において、その典型からの距離を測る。
統合失調症においても、性格障害においても、初老期認知症においても、
あるいはADHD、高次脳機能障害においても、うつ状態は見られるので、見逃さないように鑑別する。

薬剤は現在症状と基本性格を診て選択する。
イライラが強いか、意欲低下が強いか、が大まかな目安になる。
また、対人距離が近い人と遠い人とでは薬剤選択が異なる。
漢方薬を積極的に使う。

思考障害や能力低下が根本的に影響している場合があるので、
見逃さず、原因を特定する。いろいろな可能性がある。