「一日電池」と「一生電池」と「うつ病」

一生電池20080502-2.jpg

交感神経と副交感神経は
アクセルとブレーキのようなもので、
興奮と安静をそれぞれ司っている。

人間には二つの電池があると考えれば、いろいろと納得しやすい。

ひとつは、携帯なんかと同じで、
昼に放電して夜に充電する「一日電池」。

交感神経優位のときにエネルギーを使って、
副交感神経優位のときにエネルギーを蓄えるというイメージだ。
だから夜はきちんと休息を取って、5時間以上は寝て、
しっかり充電しないといけない。

夜間の充電ができなかったときに使われるのが、
「一生電池」。
これは緊急時に放電されるもので、充電ができず、
生まれたときに満タンになっている。

徐々に使って、人生のどの段階かで使い切る。

少しずつ無理をしているうちに、「一生電池」を使ってしまう。
使い切ったときに「うつ病」が始まる。
この場合のうつ病は、失恋したとか失業したとかの反応性のものではなくて、
目覚まし時計が時間に鳴るような感じで
人生のある時期に始まるうつ病のこと。
だからこどもにこの意味での「うつ病」はないだろうということになる。

睡眠リズム障害の人は
「一日電池」の充電ができないのでうつ病になりやすい。

更年期も同じで「一生電池」を使い切った結果、うつ病になる。
「燃え尽き症候群」という言い方は「一生電池使いきり症候群」とも呼べる。

もし「一生電池」をつかいきったのなら、
そこから先は無理をしないで、
「一日電池」を上手に使って、生きることだ。
何も難しいことではなくて、ちゃんと寝ることだ。

そのことに慣れてしまえば、
「一生電池」がなくなっていても、
「うつ病」にならない体質が出来上がる。

老人がすぐ寝てしまい、
すぐ起きてしまうのは、
こまめに充電して
こまめに放電しているのだ。

遠い将来は、遺伝子工学で、「一生電池」を充電することになるかもしれない。