メタボ健診の概要について

メタボ健診の概要について

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2008年4月1日からメタボリックシンドローム(以下、メタボ症候群)に焦点を当てた「特定健診・特定保健指導」という新しい健診制度がスタートする。「医療費適正化計画」の一環として、医療費の2兆円削減をうたう新事業だ。
特定健診・特定保健指導(以下、メタボ健診)は、改正された「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づく新しい健診だ。これまで市町村が、老人保健法に基づいて40歳以上の住民を対象に行ってきた基本健康診査(住民健診)に替わるものと位置付けられる。ただし、変更点がいくつかある(表1参照)。


表1 特定健診・特定保健指導とこれまでの住民基本健診との違い


まず、メタボ健診の実施者は、市町村ではなく、国民健康保険、被用者保険(組合健保、政管健保)などの保険者になる。対象は、40~74歳の被保険者と被扶養者。なお、75歳以上の国民は「後期高齢者医療制度」という新たな医療保険制度に加入することになり、各都道府県の広域医療連合が実施する住民健診を、引き続き受けることになる。


目的も変わった。従来の健診事業が、個別疾患の早期発見・早期治療を目的としていたのに対し、メタボ健診の目的は、メタボ症候群の診断基準に沿って複数のリスクを持つ受診者を抽出して、医師・保健師・管理栄養士の保健指導を受けさせることにある(図1参照)。


図1 特定健診・特定保健指導の流れ


病気の人間を拾い上げるのではなく、病気になりそうな人に医療関係者が早期から介入、指導することが主眼になったわけだ。


5年後の2012年度までに、特定健診の受診率70%、特定保健指導の実施率45%、さらにメタボ症候群の該当者と予備軍の10%減少が、目標値(参酌標準)とされた。そして、この目標を達成できなかった保険者は、後期高齢者制度への支援金(拠出金)に10%程度のペナルティを加算されることになった。