国立がんセンター東病院の藤森麻衣子氏らの研究で、
がんなどの、悪い知らせを、どのように伝えたらよいかという報告。
日本人患者は、悪い知らせを受けるときに、
1)家族を含めた情緒的サポート、
2)医学的情報、
3)明確な説明、
4)質問の奨励、
5)場の設定
の5つの項目を考慮して欲しいと思っている。
米国人患者を対象とした同様の調査では、考慮して欲しい主な項目は、
1)情緒的サポート、
2)内容と伝え方、
3)場の設定
の3項目であった。
藤森氏は、
「日本人患者は、治療法の選択肢のみでなく、医師が推奨する治療法まで示して欲しいと考えている。
また、治療法の選択は患者のみでなく、医師や自分の家族と共同で行いたいと考えている」と分析している。
医師に望むこととして
「患者の質問に答える」、
「わかりやすく伝える」、
「今後の治療方針も伝える」、
「主治医として責任を持つことを伝える」
意見が分かれる項目の主なものは、
「余命について知らせる」
「悪い知らせを淡々と知らせる」
「悪い知らせを少しずつ段階的に知らせる」
「伝える内容が不確実な段階でも知らせる」
「断定的な口調で伝える」など。
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たしかに一般的にはこのようなことになるでしょう。
しかし実際には、まず、患者さんの状態とパーソナリティーの把握が第一です。
一般論は大切ですが、それを守っていればうまく行くものでもありません。
精神科医のリエゾン業務で大切な領域ですが、実際には難しいものです。