凡人の限界

自分なりの立場も流派も特にないという人の方が
いい判断ができることもある。

たとえば、
このケースの場合だと、
新しい薬物療法はこんな感じ、
古い薬物療法ならこんな風、
それぞれメリットとデメリットはこう、
あと少数意見としてはこんな感じもあるだろう、
支持的精神療法ならこうで、
認知療法ならこう、
行動療法ならこう、
分析的立場ならこんな感じ、
などと並べて、
それぞれについて、多数決をとったとすれば、こんな分布などと言える。

そんな人は自分の特性や弱点も知っていて、
無理もしないし、自分にできることだけをやって、
治せる人だけを治し、
出来ない部分は得意な人に任せればいいと、
とても素直に判断できるはずだ。

一方で、特色のない治療になり、
論文も出来ないし講演も出来ないことになる。
平均的な事を平凡に行なうのみ。
しかし凡人にはそれだけでも一杯一杯だ。