てんかん

てんかんの場合の自殺リスクはどうか、
抗てんかん薬を使った場合の自殺リスクはどうかについて報告がある。

てんかんは昔、精神科で治療した。
脳波の専門家も精神科にいる。
しかし最近は小児神経科に移行している。
脳波に異常があるので、
脳に局在する身体疾患として考えられている。

もっと昔には脳梅毒の例がある。
これは脳感染症として、精神科から独立して行ったと思う。

てんかんでも脳梅毒でも、特有の精神症状があるので、
精神科的な診断は有用である。
また、生活のなかで特有の性格傾向とか注意点があるので、
精神科医のアドバイスは有用である。

こころと脳という微妙な問題があり、
悩む人は悩んでいる。
悩まない人は悩まない。

こころの病と脳の病とは別だという人もいるし、
将来はひとつのものになるだろうという意見もある。

脳を物質として扱うなら脳内科と呼んでもいいわけだ。
しかしどうだろう。膀胱の機能や腎臓の機能に対して精神療法はあまり有効ではないのに、
脳の疾患に対しては精神療法が有効である。
これはとても不思議なことだ。

ある人の腎臓が他の人の腎臓を癒すとは考えられない。
(移植という話が出たが。)

人間はあることばにとても傷つき、
あることばにとても励まされ、
他人のある態度にとてもたくさんの事を学び
自分を変える。

ウィルスで病気が感染するように、
人から人に、ことばや態度によって、
何かが感染する。
それは不都合なこともあるし、好都合なこともある。

例えていえば、言葉や態度は、脳と脳をつなぐコンピュータ・ケーブルのようなもので、
脳に直接に影響を与えることができる。

脳と脳が共同作業をしている。
脳は、他の脳を、
物質宇宙の一部としての物質と見ることもできるし、
意識やこころと見ることもできる。

物質としてみれば、脳波の話になり、てんかんの話になる。
こころとしてみれば、人格の話になり、人間同士としての話になるようだ。