うつ20~30代で増加

企業の6割「心の病で社員1カ月以上休職」
2008.5.3 20:01
 
このニュースのトピックス:メンタルヘルス
 鬱病(うつびょう)や統合失調症など、メンタルヘルス(心の健康)に問題を抱え、1カ月以上休職している社員がいる企業の割合が約6割に上ることが、民間調査機関の労務行政研究所(東京)の調査で分かった。休職者は働き盛りの20~30代で増加が目立ち、同研究所は、「中高年を中心に人員が削減される中、若い世代の仕事量が増え、責任も大きくなり、ストレスが強くなっているからでは」と分析している。

 調査は1~3月に全国の上場企業など約4100社を対象に実施し、250社から回答を得た。

 調査によると、1カ月以上の休職者がいるのは62・7%。企業規模が大きいほど高率になる傾向があり、従業員1000人以上の大企業では9割を超えた。

 最近3年間でメンタルヘルス不調の社員が「増えている」と回答した企業は、55・2%だった。世代別(複数回答)では、30代が51・9%と最多で、20代が41・2%で続いた。

 一方、休職者が職場に完全復帰した割合を「9割以上」とした企業は全体の20・4%。小規模の企業ほど復帰が厳しくなっており、300人未満の企業の約3割が「全員復帰できなかった」と答えた。

 メンタルヘルス対策の実施率は、大企業では100%近かったが、300人未満では57%にとどまった。同研究所は「職場復帰には早期発見、早期治療が大切。相談窓口の設置など支援態勢の充実が求められる」と話している。

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企業規模で比較することは、母集団としての職員が均質ではないから、要因分析は難しい。