過敏性腸症候群(IBS:Irritable bowel syndrome)の診断と治療

過敏性腸症候群(IBS:Irritable bowel syndrome)
は心身症の代表的なもので、
便秘型と下痢型と、その交代型があり、
検査をしても器質性異常がみつからないものを言う。

【診断】
IBSのRome Ⅱ 診断基準がある
腹痛あるいは腹部不快感が12ヶ月中の連続とは限らない12週間以上を占める。
かつ、下記の2項目以上の特徴を示す
1.排便により軽快
2.排便頻度の変化で始まる
3.便性状の変化で始まる

【治療】
専用の薬剤としてコロネル=ポリフルがあり、
消化管運動調整薬、
腹痛には抗コリン薬、下痢には乳酸菌製剤、あるいは下痢止め、
便秘型には少量の下剤、
ストレスや心理的方面に配慮する場合には
抗不安薬や抗うつ剤を用いる。
その場合には精神療法加える。
ガスの悩みを訴える人にはその方で対応する。

【和漢薬】
腹痛時屯服に芍薬甘草湯
持続便秘型に桂枝加芍薬大黄湯
便秘・下痢交代型に桂枝加芍薬湯
持続下痢型に半夏瀉心湯、真武湯
便秘または交代型に大建中湯
などが経験がある。
効果はマイルドで、フルドースを使わなくてもよい印象もある。
他に、心理的な要因が強い場合には、柴胡剤などを使用、
女性で月経周期と関係する場合には女性用の漢方を用いる。
いろいろと工夫の余地がある。