FSSとはFunctional Somatic Syndromeのこと。
Functional 機能的、つまり器質的、身体的でない。
Somatic からだの、つまりこころのではない。身体的愁訴。
「苦痛に感じ日常生活を障害する身体的愁訴があるが、
明かな器質的原因として説明できない症状」。
代表的疾患に、
線維筋痛症、
過敏性腸症候群、
慢性疲労症候群、
舌痛症、
腰背部痛、
側頭下顎症候群、
緊張性頭痛、
などがある。
慢性疼痛とうつ状態が悪循環を呈する。
患者は身体的・器質的疾患と確信していて、
検査を繰り返すほど悪化する例もある。
精神科治療に強い抵抗を示すことがある。
患者と医者の信頼関係がないと疼痛はさらに悪化することがある。
明らかな器質的原因がある疼痛の場合でも、
器質性病変の程度からは説明できない程度の疼痛を訴える場合があり、
消炎鎮痛剤が無効である場合がある。
この場合も、器質的病変で説明できる疼痛以外の部分については、
うつ状態との関連が考えられる。
器質的病変がある場合、痛みから、また、将来の不安などから、
うつ状態になりやすい。