うつ病で治療する場合の、復職までの実際の流れ 4-復職設定

うつ病で治療する場合の、復職までの実際の流れ 

4-復職設定 復職プログラムの設定

会社の制度によって異なりますが、
上司、人事、産業医、産業保健婦など、関係者が復職審査会を持ち、
復帰のプログラムを決定します。

4-1 時間
隔日勤務、4時間勤務、6時間勤務、8時間勤務、残業1時間許可、などを具体的に指示します。
それぞれを1-2週間程度続け、確認しながら、次の段階に進みます。
通常勤務に復するまで、全体で2~6ヶ月程度が多いようです。

4-2 仕事内容
これは各職場によってさまざまで、一概に決められないことなのですが、
軽作業、負担の軽いもの、重大な責任のないもの、慣れ親しんだ仕事、
チームよりもひとりの仕事、
から始めるのが望ましいとされています。
時間と同じく、仕事の負荷についても、1-2週間ごとに見直し、段階的に上げていきます。

4-3 部署異動
復職の原則は、もとの職場にもどることです。
異動してしまえば、新しい仕事に適応する困難があり、
さらに新しい人間関係を築く苦労もあるからです。
しかし場合によっては、部署の移動をお願いすることがあります。
この点を会社側と打ち合わせます。
病気になる前の、職場での評価、役割、職場でのストレスの程度などが考慮されます。

4-4 サポート体制
職場での相談役をきめて、ひとりで悩まないようにします。
「その仕事は、まだ無理です」と自分では言えない場合が多いので、
そんなときの相談役にもなってもらいます。
また、その人が主治医に状態を報告して、薬剤調整に役立てます。
多くは上司がこの役に当たりますが、
上司には何も言えないという人も多いもので、やはり誰かが間に入った方がいいようです。
産業保健婦や産業カウンセラーが一般には適任です。
上司の方の理解を深めるために、教育的接触をすることがあります。

4-5 なぜリハビリ勤務が必要か。
本人も会社も、できるなら、リハビリ勤務などせずに、
いきなり通常勤務したいわけです。
しかし、実際はそれが難しい。
精神症状が消失したということと、
職場で仕事ができるということとの間には、やはり「段差」があります。

復職判定を合理的に行うために、「復職準備度の評定」などが試みられていますが、
いまのところ、正確に評価することはできません。
「やってみないと分からない」のが実情です。

復職してうまくやっていけるかどうかは、
病気の回復程度の他に、
仕事のストレス、
対人関係のストレス、
本人の性格傾向、
家庭でのストレスなど、いろいろな要因があり、複雑すぎるため、
単純に評価することはできません。

職場での実際のストレスについては、
主治医や産業医が評価することは難しいのが現状です。

こうした事情で、「リハビリ勤務」が行われています。
しかし、就業規則でどう扱われているか、会社として支援体制があるか、
リハビリ中の身分、報酬などの問題、
さらには労働災害が起こったときの扱いなど、問題が指摘されています。

5-復職前期