短歌F()検索

老人はくどくてもいいことになっているので
少しくどく言うと

短歌をいじっていて
結局こんな事を誰かが言っていたかなと
頭をかすめることがあるのだ

俳句はなおさらなのだが
俳句は私の愛には短すぎる

短歌でも言葉の組み合わせには限度があり
セーラー服は最近の短歌にしかないけれど
しかしイメージシステムとしては似たものがあるのだ

紐を結ぶ
紐を解く
というのがほぼ直接な愛の表現である

あなたを待つのが長すぎて
私は自分で紐を解いてしまいました
なんていう歌もあり
果たして自分で解いたのか
解かれた紐を解かれるがままにしたものか
悩むように作られている

日本の外科の紐結びの複雑さとすばやさは
万葉に由来していると私説を立てている

誰にもできないような結び方で結んでおくのである

最近のセーラー服は短くなっていて
はらはらさせられるが
お前はいい子で
そんなに短くしていなかった
それが最近そんなにも短いことが
わたしを悩ませる

誰なのか
いや
何もないのか

おまえはただ健康に
肌を白く光らせているだけだが
ますますまぶしくて
それは誰のせいなんだと言いたくなるのだ

とまあ、架空の話だが、そんなことかあったとして、
イメージシステムとしては
ほとんど
万葉集で吾が解きし紐というのと似ている

そのような近似を
検索できないかという依頼なのである

だって脳は昔からおなじように事を考えているのであって
それが万葉の紐であり
古今の衣であり
西鶴ならなんだろう
最近ではセーラー服なのだ

代入されるものは変わっても
構造が同じなので
F(x)=y
というようなものと同じだ

短歌のF()を検索したいのである
あんなにも短いのだからできるはずだ

といったようなことである

深夜お前は明日のために
セーラー服をプレスして眠っている
誰のためにプレスなどするのか老人を悩ませる
初紐を解きし老人ゆえに眠れないのである
若いものはよく眠ている
太腿はひんやりと冷たい
吐息が甘い