電話相談の安らぎ

「悩みの電話相談」によくある相談に、うつ病の患者さんからのものがあります。

 「姑(しゅうとめ)とうまくいかず、うつ病に。この先やっていく自信がありません」

 「職場になじめず、うつ病になって退職しました。良くなりましたが、まだ不安で新しい仕事を探す気持ちになれません」

 「気分の落ち込みが激しくて、急にイライラが強くなったり、死にたくなったりして、耐えることができません」

 「うつ病になって数年たちましたが、なかなか良くなりません。抗うつ薬を飲み続けるのは不安です」

 さまざまな内容です。電話相談では個人名は言わないことになっていて自由に話せます。相談時間は短いもので数分、長いもので数十分、同じような内容の相談が多くあります。なぜ、電話相談が多いのでしょうか。うつ病の原因を取り除き、早く治してほしいのでしょうか。その気持ちはあるでしょうが、まず、うつ病の苦しみや悩みを聞いてほしい、愚痴を聞いてほしい、自分の気持ちを分かってほしいという思いからではないでしょうか。

 患者さんには、症状や生活状況をよく知る主治医や家族などがいる場合が多いでしょうが、必ずしも自分のつらい気持ちを理解してもらっているとは限らないのではないでしょうか。そのような状況で、電話相談が「ひと時のこころの安らぎ」になっているようです。 

*****
そういうものだろう。