かなりの軽症者の場合、
最初に何回か実際にあって診察をして、
基礎的なデータが出来たら、あとはネット診察でいいのではないかとの考えがあるだろう。
アメリカでは自由契約でそんなこともあるように紹介されている。
ネット診療という場合、
わたしなら
ネットカイロプラクティックとネット占いを比較する。
ネットカイロは、ネットを通じて、動きや呼吸を指示する。
それでどの程度効果があるだろうか。
考えてみれば実際のヨーガスタジオでも、
一対一で身体に触れてというものでない場合も多いので、
似たような効果が得られるのかもしれない。
ネット占いで言えば、
結果について責任を持たないなら、
ネットで何か伝えるので充分だ。
そのときクライアントの状態を把握するために写真を送ってもらったり、
簡単な質問事項に記入してもらうだけで充分かもしれない。
そのように考えた後で、
ネット診療を考えると、
むしろ、糖尿病で自己注射インシュリンの量を指示したり、
手元にある頭痛の薬剤の使い方を指示したりするのはネット診療で出来るかもしれない。
テレビカメラも可能だ。
しかしテレビカメラでも伝わらない、文章でも、音声でも伝わらない、
「何か」が、人間にはあり、それが精神科の診察の場合には重要であると思う。
写真にも写らない、文章でも伝えにくい、
しかしじかに合えば、伝わる何か。何かの信号なのか、何か総合的な情報なのか。
とにかくそのようなものがありそうだと思える。
だから診察をする。
実際にあって話をする。
情報の質が違うのだ。
質問に答えるとき、最終的なことばだけではなく、どのように答えたかが問題なのである。
ネットだけでその人の状態を把握する技術がこれからは発達するのかもしれない。
しかしそれまではやはり直接診察が大事だと思う。