近親相姦のタブーの成立

原初の状態では近親姦のタブーはなかった
むしろ、数少ない人間種の中で、交配を繰り返すのが、
有利な形質を維持するのに必要なことであった。
しかしある時点で、近親相姦はタブーではないかと妄想する人間が出現し、
その考えは広がっていった。
拡がってみると、近親相姦を許容している集団に比較して、
強いことがわかった。
いったん優位に立つと、近親相姦のタブーと共に集団は維持される。
近親相姦のタブーは遺伝学的に理にかなっているから優位に立ったのであるが、
心理学的には、大変自然な感情をタブーとして抑圧している不自然な形であるため、
ひずみが出易い。
ひこで神経症が形成され易い。
このようにしてひとつ神経症が成立した。

個体発生としても母子は歴史の始まりである。
集団発生としては、人間の歴史の始まりの集団内で近親相姦があったのだろう
そして後代になって、近親相姦はタブーとみなされた。
みんな必然的なことである。