PEY.
右脳左脳と言うが、右腕がつながっているのは左脳で、左腕がつながっているのが右脳だ。
世間でよく言うように、右脳が創造的で左脳が計算脳だというような仕組みだと、右手と左手がうまく動くはずがあるだろうか。
確かにそうで、だから、
優位半球に運動命令を送っている神経系が、
右脳の運動領野にも情報を提供して、
実質、
左側に司令塔があり、そこから左経由で出るものと右を経由して出るものとが分かれるのだろう。
だから、右脳の働きが左手の動きに影響を与えるとは考えにくい。右脳には左手に延びる最終中継点があるというだけではないか。
司会.
なるほど、それで、シンメトリーですが、どうかなさいましたか?
PEY.
顔を見ても左右がとてもズレている人がいる。
左手と右手の動きを見ているとかなり量が違う人がいる。
司会.
顔の表情については、末梢神経の問題かもしれませんね。
中枢の問題なら、そこですでに大きくズレていると言うことは、
うまく協調作業ができるとは思えません。
手についてはどうでしょうか。どちらかが沢山動いているのは、何が関係しているのでしょうか。
それが片側半球の活動の活発さを示すものだというのは、
なんだかは信じられない。
PEY.
四肢というものは、優位半球の支配下にある。優位半球の運動コントロール部から発生して、左右の中継地点に至り、そのあと、それぞれの手足に分布する。
だから右脳の特性が左腕に出るというのは間違いのようだ。
しかしここで、左右差の少ない人たちがいて、運動は円滑に進めることができる。
それは運動コントロール以下の部分の左右対称性がかなり上等に保たれていると見ることができる。
司会.
でもじゃあ、左脳が優位半球で、優位半球を傷害された時に、右腕が動かなくなる、左手は動くというのは、
優位半球にある、運動生成部分から出てから後の障害ということになります。
運動生成部分が優位半球にあって、そこが障害されれば、
左右両方とも動かないというのはどうなんでしょう。
そんなことがありますでしょうか。
PEY.
うーん、そうは行かないようだが。運動生成部分というのがいわゆる「部分」ではないのだろうな。
司会.
いや、部分であるはずですよね。
何か広い領域をさすものだとしても、そこから運動領野に指令を出している神経があるわけですから、
その部分が障害されれば、左右ともダウンするはずでしょう。
そうでなければ、どのようにして左右がシンクロして、
一つの目的のためにまとまった動作をすることができるでしょうか。
PEY.
その意味では、左右のシンメトリーは大切な指標になるかも知れない。
左右差なく筋肉を使っているわけだから、それだけ両方の神経の構造の
出来がいいことになるのかも知れない。
対象性が崩れていれば、
末梢の側で何か問題があるということを示しているだろう。