ロックスターは早死にする
エルビス・プレスリー、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、カート・コバーン(コベイン)など、人気スターは若くして死亡する率が一般の人の2倍以上であることが、英国の研究グループにより報告された。さらに、スターは名声を博してから数年以内に、主に薬物やアルコールの乱用によって死亡することが多いという。この知見は医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health」9月号で報告された。
リバプール・ジョン・ムーアズLiverpool John Moores大学公衆衛生センターのBellis氏らは、北米およびヨーロッパで1956~1999年に人気を博したアーティスト1,064人のデータを収集した。対象者はいずれも2000年に「All Time Top 1,000 albums」に選ばれたミュージシャン。スターが有名になってから生存した期間と、同じ年齢、性別、民族、国籍の一般人の平均余命とを比較した。
その結果、1956年から2005年までに死亡した人気スターは100人。死亡時の平均年齢は、北米で42歳、ヨーロッパで35歳であった。4人に1人以上が長期間の薬物やアルコールの使用により死亡していた。また、ヨーロッパでは有名になってから25年以上生存したスターの平均余命は通常と同じであったが、北米では死亡率の高さが継続してみられたという。
一般には裕福であることによって生活が向上し、寿命も延びるものだが、今回のケースでは名声とそれに付随するものによって一般の人よりも死亡率が上がるという結果になっている。研究グループは、音楽業界は薬物乱用などの危険な行為をもっと深刻に受け止め、人気スターの短期的な健康ばかりでなく、人気がなくなった後の長期的な健康まで考慮する必要があると指摘している。これはスター自身のためであると同時に、スターには人々の模範としての役割もあるのがその理由である。英国では子どもの10人に1人がスターになりたいと思っているという。
米エール大学医学部(コネティカット州)予防研究センターのDavid Katz博士は、この知見により、スターもファンも名声に伴う危険に気付くはずだと述べている。放埓(ほうらつ)な生活が死期を早めるという直観が今回の研究で裏付けられたことになるが、その結果を受けて実際に生き方や態度を変えることは実に難しいと同氏は指摘している。
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日本画家は長生きですね。岩絵具が体にいいのかしらね。